予防医療と再生医療×鍼灸治療・・・健康寿命を延ばすという未来にむけて

著者:日本橋クリニック スタッフ
医学監修:岡田善史 院長
最終更新日:2026年6月15日
はじめに
これまでの医療は「病気になってから治療を始める」という考え方が中心でした。しかしこれからの医療は「病気にならないための予防医療」や「衰えたもしくは損傷した組織の修復や改善」を図り健康寿命を延ばすという考え方へ転換していく必要があると考えています。
人生100年時代を迎えた今、人々の関心は「いかに長生きするか」ではなく、「いかに健康で若々しく生きるか」へシフトしています。長い人生を豊かにするために、再生医療や鍼灸治療がどう関わっていけるのかを解説します。
予防医療とは
予防医療とは、病気やケガを未然に防ぎ、健康な状態を維持するための医療のことです。病気になってから治療を行うだけでなく、「病気になりにくい体づくり」や「早期発見・早期治療」、「再発予防」までを含めた取り組みを指します。
予防医療は、大きく以下の3つに分類されます。
目的 | 内容・取り組みの例 | |
|---|---|---|
一次予防 | 病気やケガを未然に防ぐ | バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、禁煙・節酒などにより、病気やケガになりにくい健康な体づくりを行います。 |
二次予防 | 病気やケガの早期発見・早期治療 | 健康診断や各種検診などで異常を早期に発見し、適切な治療につなげることで、症状の悪化を防ぎ早期回復を目指します。 |
三次予防 | 再発・重症化の予防 | リハビリテーションや定期的な通院、生活習慣の改善などを通じて、病気やケガの再発や重症化を防ぎます。 |
予防医療と再生医療
予防医療の中でも特に重要なのが一次予防です。適度な運動、ストレス管理、バランスのとれた食事など生活習慣を整えることで病気を予防できれば、病気による苦痛、医療費の負担、通院に費やす時間などを最小限に抑えられます。
とはいえ、人間の体は程度の差こそあれ必ず老化していきます。老化や生活習慣の乱れは慢性炎症を引き起こして様々な疾患の原因となり、変形性関節症などでは構造の損傷や機能の低下が避けがたく進行します。
そこで再生医療の出番となります。従来の医療は病気になってから介入することを前提としているため、そういったことに対応できません。
しかし再生医療は疾患の治療という側面だけでなく、予防的介入という側面も併せ持っています。
慢性疾患のケア:慢性炎症は様々な疾患の原因となることが分かっています。がん、糖尿病、心筋梗塞や脳梗塞、肝炎、喘息、関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、うつ病、認知症、アルツハイマー病などです。再生医療の介入によりこれらの慢性疾患を予防していきます。
機能の維持:変形性関節症のように軟骨の損傷や靱帯などの損傷による機能の低下を再生医療の介入により遅らせていきます。また変形が進行することで「まだ若いから大丈夫」なのではなく「若い元気なうちから健康に投資し病気や怪我になりにくい体を維持する」ことが重要ではないでしょうか。
当クリニックでの再生医療
当クリニックで取り扱っている再生医療は、主に次の3種類です。
iPSエクソソームは抗炎症作用を持ち、また抗老化作用があります。
慢性炎症からくる疾患や血管構造の老化、皮膚組織の老化などの予防を目的として治療を行います。
ご希望の方は当日来院し、点滴・注射を受けられますのでお申し出ください。
変形性膝関節症などの疾患に対し、ご自身の血液(血小板)から抽出した成長因子を患部に投与することで病気の進行予防、症状の緩和を図り日常生活の質をあげることを目的とします。
治療の流れ(オーダーから投与までおよそ4週間)
PRP-FD作製をオーダーするため、採血の3日前までに治療希望の旨をお申し出ください。↓
PRP-FD作製のための採血を行います。(約51mL)
↓
細胞加工施設に輸送、PRP抽出・加工します。
↓
ご来院いただき、患部に注射します。
作製したPRP-FDは冷蔵で1年間保存できます。保存期間内であれば、複数回の治療を受けることが可能です。
自己脂肪組織由来間葉系間質細胞点滴
標準治療でも改善しない、手術までは希望していないなどの患者様で慢性的な痛みを抱えた方(腰部脊柱管狭窄症、変形性膝関節症など、肩関節周囲炎、神頚椎症性神経根症などの神経障害性疼痛などで選択基準を満たした方)に対する治療です。
慢性疼痛は日常生活を著しく制限することがあるため、二次予防による早期介入が重要です。
治療の流れ(組織採取から45日後以降に投与)
感染症があると培養ができないため、まずは感染症などの血液検査を行います。
↓
治療可能と判断された場合、腹部から脂肪組織を採取します。
↓
培養施設へ輸送し、培養します。
↓
培養が完了するとクリニックへ細胞が発送され、患者様に投与します。
※細胞投与について
細胞は投与日を設定したうえで、その日に向けて培養します。そのため、組織採取の際に投与日を決めさせていただきます。予定日がずれると培養した細胞を投与できなくなってしまうため、できるだけ他の予定が入らない日をお選びください。
またその他再生医療ではありませんが慢性的な疲労や不眠などに対し、高濃度ビタミンC点滴療法や総合ビタミン点滴療法などもご用意しています。
予防医療と鍼灸治療
東洋医学が誇る究極の予防コンセプト「未病」
東洋医学には、何千年も前から「未病(みびょう)」という言葉があります。これは、「病気ではないけれど、健康でもない」という、いわば心とカラダのイエローカードの状態です。
なんとなく体が重だるい
寝ても疲れが取れない
手足が冷える、胃腸の調子がすっきりしない
検査をしても「異常なし」と言われる、こうした数値に現れない不調(不定愁訴)は、鍼灸の得意分野です。病気として本格化する前に、芽のうちに摘み取る。これが究極の予防医療です。
なぜ鍼灸が「予防」になるのか? 3つの科学的アプローチ
鍼灸治療は、数千年におよぶ臨床経験と観察の積み重ね(経験医学)を基盤とする伝統的医療といわれていますが、現代医学でもそのメカニズムが徐々に解明されています。
自律神経のバランスを整える
ストレス社会を生きる私たちは、交感神経(戦闘モード)が優位になりがちです。鍼や灸の刺激は、副交感神経(リラックスモード)を優位に切り替え、睡眠の質を向上させたり、内臓の働きを活発にしたりします。
血流を促進し、自己治癒力を高める
あえて皮膚や筋肉に微細な刺激(微小なキズ)を与えると、カラダはキズを修復するために、その部分に血液や免疫細胞を集めます。これにより、凝り固まった筋肉がほぐれ、全身の代謝が上がります。
免疫力の底上げ
定期的な鍼灸治療は、白血球のバランスを整え、リンパ球を活性化させることが研究で分かっています。つまり、「ウイルスや細菌に負けない、タフなカラダ」をキープしやすくなるのです。
このように、鍼灸治療は免疫調整、血流改善、自律神経調整などの全身調整を行い、未病の段階からの改善を図ることができます。また、当クリニックでは再生医療と鍼灸治療を組み合わせることで、双方の治療効果を高め、より長く維持することを目的とした治療を行っております。
費用について
本治療は自由診療(保険適用外)です。料金体系の詳細はお問い合わせいただくか、「整形外科」ページをご覧ください。
想定される副作用・リスク
注射部位の腫れ・痛み、ごくまれに発熱などが報告されています。事前のカウンセリングで丁寧にご説明いたします。
まずはお気軽にご相談ください
予防医療に再生医療と鍼灸治療を活用するのは、単に寿命を延ばしたり疾患を治療するだけでなく健康で活動的な人生を送るために非常に有用であると考えます。
予防医療に興味はあるけど生活習慣の改善以外に医療的な介入にご興味がある方は一度日本橋クリニックにお問い合わせ下さい。
医学監修:岡田善史 医師
日本橋クリニック 院長
再生医療・点滴療法を中心に、患者さま一人ひとりの状態に合わせた治療を提案しています。効果だけでなく、適応やリスクも丁寧に説明し、安心して相談できる医療を大切にしています。
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