眼×再生医療×鍼灸治療・・・ゲーム、PC、スマホ時代の眼の症状に新しい選択肢

著者:日本橋クリニック スタッフ
医学監修:岡田善史 院長
最終更新日:2026年10月21日
はじめに
ゲーム、PC、スマホなどのデジタルデバイスの普及によって、私たちの生活は格段に便利になりました。また、コンピューターゲームを競技として行う「eスポーツ」のような新しいスポーツも生まれています。eスポーツでは世界大会が開催され、高額な賞金が用意されることもあります。
スマホで情報を検索し、パソコンで仕事をし、ゲームを楽しむ。現代人の生活は「スクリーンタイム(画面を見る時間)」と切っても切り離せない関係となっています。
しかし、その利便性や娯楽の陰で、私たちの目には大きな負担がかかっています。今回は、デジタル社会が目に与える影響や現代特有の目のトラブル、そして日本橋クリニックで行っている治療についてお話しします。
現代人を悩ませる「デジタル眼精疲労」
画面を長時間見続けることで生じる目や身体の不調は「デジタル眼精疲労」と呼ばれ、以下のような症状が見られます。
眼の症状:眼のかすみ、疲れ目、眼痛、充血など
全身症状:頭痛、肩こり、吐き気、倦怠感など
人間は目の筋肉の働きによってピントを調節しています。スマホやPCの画面を近くで何時間も見続けることは、ピントを調節する筋肉を長時間酷使し続けることにつながります。このことが、慢性的な目の疲労や頭痛、肩こりなどを引き起こす一因となります。
デジタル化が引き起こす眼のトラブル
ドライアイ:人間は通常1分間に20回ほど瞬きをしますが、集中してスクリーンを見ているとまばたきの回数が減少します。瞬きの回数が減ると眼の表面が乾燥し、ドライアイになりやすくなります
角膜障害:ドライアイにより目の表面が乾燥すると角膜が傷つきやすくなります
近視の進行:屋外での活動時間が減り、近くの画面を長時間見続けることで近視が進行するリスクがあります
スマホ老眼:スクリーンを長時間見続けた後でピントが合いづらくなります
目を守るため日常生活でできること
デジタル機器を完全に手放すことが難しい現代だからこそ日常生活でのケアが重要となります。
集中して作業する場合は意識的に瞬きを増やすようにする
画面と眼の距離を40cm以上離すようにする
モニターと周囲の明るさの差をできるだけ小さくしコントラストによる眼の負担を減らす
20分ごとに20秒遠くを見るようにする
再生医療とデジタル眼精疲労
デジタル眼精疲労からくる症状に対し点眼や生活指導を行うことが一般的です。
しかし保水成分やビタミンを含む点眼ではなかなか症状の改善が見られない、日常生活でのケアが重要だと分かっていても、実践することが難しいということも多々あります。
仕事で長時間スクリーンを見る必要がある方やeスポーツに参加しているような方(特に世界大会など大会に参加するような方)では、長時間集中してスクリーンを見ることが前提となっているため普段のケアでは効果が得られないことも考えられます。
そういった場合に選択肢として考えられるのはPRP-FDの点眼です。
PRP-FDはさまざまな成長因子が含まれており、ドライアイやそれに伴う角膜障害に対し効果が期待できます。(※1、※2)
また再生医療の特性上効果が現れるまで時間がかかるため、その間は日本橋クリニックで鍼治療や標準治療を受けていただくことが重要と考えています。
PRP-FD療法の治療の流れ
① PRP-FD作製の申し込み
PRP-FDの作製依頼から点眼まで、およそ4週間が目安となります。PRP-FDの作製を依頼するため、採血予定日の3日前までに治療をご希望の旨をお申し出ください。
↓
② 採血
PRP-FD作製のための採血を行います。(約51mL)
↓
③ PRPの抽出・加工
採取した血液を細胞加工施設へ輸送し、PRPの抽出・加工を行います。
↓
④ 点眼
点眼薬を調製後、ご来院いただき、点眼を行います。
また作製したPRP-FDは冷蔵で1年間保存がききますので、保存期間内であれば複数回治療を受けることができます
鍼灸治療と眼の症状
鍼灸治療でも眼の症状にアプローチすることができます。
鍼灸治療では、目の周囲の血流を促すだけでなく、首の後ろの緊張を和らげたり、全身の巡りを整えたりするツボを組み合わせてアプローチします。ここでは、目の疲れに対して用いられる代表的なツボをご紹介します。
合谷(ごうこく)
手の甲側、親指と人差し指の骨が交わる角のやや人差し指側にあるツボです。「万能のツボ」とも呼ばれ、首から上の血行を促す作用があります。目の充血や疲れ、顔全体の血色感を高めたい時などに広く使われます。
太陽(たいよう)
眉毛の外端と目尻を結んだ線の中点から、指の幅1本分後方。側頭部のくぼんだところにあるツボです。目の周囲の筋肉の緊張をほぐし、眼精疲労による重だるさや頭の締め付け感を和らげたい時によく用いられます。パソコンやスマホの長時間使用でこり固まった側頭部のケアにも適しています。
天柱(てんちゅう)
首の後ろの髪の生え際で、太い首の筋肉の外側にあるくぼみにあるツボです。頭部や目へ向かう血流をスムーズにし、目の疲れだけでなく、首や肩のこり、眼精疲労からくる頭の重さをすっきりと軽やかにしたい時によく使われます。
※1ヵ所につき3〜5秒、3〜5回ゆっくり気持ちいいくらいの痛さで押します。これを1セットとして、1日数回(デスクワークの合間や目の疲れを感じたタイミングなど)行うのがおすすめです。毎日継続することで、こりや血流の改善につながります。
最後に・・・
eスポーツに参加していて眼や肩の症状でお困りの方、それらの症状の治療をしてパフォーマンスを上げたい方、長時間のパソコン作業が必要な仕事をしている方で新しい治療を試してみたいと思った方は一度日本橋クリニックにご相談ください。
参考文献
1)Silvia Lopez-Plandolit et al. (2010). Plasma rich in growth factors as a therapeutic agent for persistent corneal epithelial defects. Cornea. 29(8), 843-8.
2)Mohamed R Gemae et al. (2024). Use of Plasma Rich in Growth Factors for Ocular Surface Disorders : A Systematic Review. Cornea. 44(10), 1229-1239.
医学監修:岡田善史 医師
日本橋クリニック 院長
再生医療・点滴療法を中心に、患者さま一人ひとりの状態に合わせた治療を提案しています。効果だけでなく、適応やリスクも丁寧に説明し、安心して相談できる医療を大切にしています。
監修:齋藤 剛康 先生
日本橋クリニック 鍼灸統括
日本橋クリニックにて鍼灸治療部門を統括。
患者さま一人ひとりの症状や体質に合わせ、鍼灸による身体の調整を行っています。
再生医療・点滴療法などの現代医療と、鍼灸による東洋医学的なアプローチを組み合わせ、身体の内側と外側の両面から整える総合的なケアを大切にしています。
コラム一覧
